緯度・経度の位置や人口重心に基づいて、複数の自治体がわが町が「日本のへそ」であることを主張しています。それでは、気温に基づく「日本のへそ」はどこなのでしょうか?そこで、気温に基づく「日本のへそ」は日本の平均的な四季を味わえる場所と定義します。つまり、全国平均の月別の平均気温の推移に最も近い推移を示す場所が気温に基づく「日本のへそ」となります。ここでは、吾作が独自に算定した全国に存在する56地点の管区気象台及び地方気象台の1991年~2020年の30年間の月別の平均気温のデータを用いて、56地点の1月~12月の月別の平均気温に最も近い地点を気温における「日本のへそ」と勝手に認定します。
具体的には56地点の1月~12月の月別の平均気温と各観測点の月別の平均気温との残差の2乗を算定して、1月~12月の各月の残差の2乗を合計して(残差2乗和)、最も残差2乗和が小さい地点を「日本のへそ」とします。そこで、算定した観測点別の残差二乗和を下記に示します。
表 56地点の1月~12月の月別の平均気温と各観測点の月別の平均気温との残差二乗和
地点名 | 残差2乗和 | 地点名 | 残差2乗和 | 地点名 | 残差2乗和 | 地点名 | 残差2乗和 |
札幌 | 442.4 | 宇都宮 | 11.7 | 名古屋 | 16.0 | 高松 | 30.6 |
函館 | 400.3 | 前橋 | 3.3 | 津 | 16.6 | 松山 | 31.6 |
旭川 | 835.8 | 熊谷 | 3.0 | 彦根 | 4.7 | 高知 | 57.1 |
室蘭 | 480.5 | 銚子 | 32.1 | 京都 | 18.2 | 福岡 | 56.6 |
釧路 | 880.2 | 東京 | 23.4 | 大阪 | 47.8 | 佐賀 | 37.8 |
網走 | 839.8 | 横浜 | 17.4 | 神戸 | 36.3 | 長崎 | 63.9 |
稚内 | 803.3 | 新潟 | 18.8 | 奈良 | 3.2 | 熊本 | 53.2 |
青森 | 245.0 | 富山 | 10.4 | 和歌山 | 38.6 | 大分 | 32.6 |
盛岡 | 268.4 | 金沢 | 3.2 | 鳥取 | 2.2 | 宮崎 | 94.3 |
仙台 | 66.6 | 福井 | 7.6 | 松江 | 0.9 | 鹿児島 | 164.7 |
秋田 | 126.5 | 甲府 | 8.5 | 岡山 | 20.9 | 那覇 | 943.8 |
山形 | 133.6 | 長野 | 125.3 | 広島 | 24.4 | 宮古島 | 1089.2 |
福島 | 42.6 | 岐阜 | 16.7 | 下関 | 46.3 | 石垣島 | 1233.4 |
水戸 | 13.1 | 静岡 | 43.2 | 徳島 | 34.5 | 南大東 | 1015.6 |
残差二乗和の値が最も小さいのは「松江」でした。逆に残差二乗和の値が最も大きいのは「石垣島」でした。残差二乗和が最も大きいのが「石垣島」は納得ですが、残差二乗和が最も小さいのが「松江」というのは意外でした。2番目に小さいのも「鳥取」なので、日本の平均的な四季を味わうのであれば山陰地方ということになります。それにしても、残差2乗和が0.9というのは非常に小さく、56地点の1月~12月の月別の平均気温と松江の月別の平均気温はほぼ一致しているといっても過言ではありません。両者の月別の平均気温の比較を冒頭の図に示し、下記に表を示します。
表 56地点の1月~12月の月別の平均気温と松江の月別の平均気温(℃)
月 | 56地点平均 | 松江 |
1月 | 4.43 | 4.58 |
2月 | 5.02 | 4.98 |
3月 | 8.23 | 8.04 |
4月 | 13.24 | 13.12 |
5月 | 17.98 | 18.03 |
6月 | 21.53 | 21.70 |
7月 | 25.29 | 25.76 |
8月 | 26.49 | 27.10 |
9月 | 23.09 | 22.89 |
10月 | 17.66 | 17.36 |
11月 | 11.98 | 11.95 |
12月 | 6.77 | 6.95 |
以上より、当ホームページでは気温に基づく「日本のへそ」は「松江」と認定します。
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