日本全体が暑かった日:1994年8月7日の天気図

気象台_1991年~2020年

「日本全体が暑かった日、寒かった日」において1991年~2020年の30年間で管区気象台及び地方気象台の56観測点の1日の平均気温が最も高い日は1994年8月7日の29.77℃でした。この日の気象台の56観測点の平均気温を下表に示します。また、冒頭の図はその分布となります。

表 1994年8月7日における気象台の56観測点の平均気温の一覧

地点名平均気温(℃)地点名平均気温(℃)
札幌  30.1名古屋31.8
函館  25.8津    31.3
旭川  28.8彦根  30.7
室蘭  26.0京都  32.8
釧路  21.1大阪  32.5
網走  28.3神戸  31.2
稚内  24.4奈良  31.7
青森  29.7和歌山31.3
盛岡  27.5鳥取  29.6
仙台  29.1松江  29.8
秋田  26.7岡山  32.3
山形  28.7広島  31.3
福島  31.2下関  30.1
水戸  29.4徳島  31.2
宇都宮30.1高松  32.3
前橋  31.6松山  30.1
熊谷  31.3高知  29.7
銚子  28.6福岡  30.6
東京  30.7佐賀  30.9
横浜  30.1長崎  29.7
新潟  29.8熊本  30.6
富山  30.5大分  29.4
金沢  29.5宮崎  29.8
福井  29.9鹿児島29.8
甲府  29.9那覇  30.0
長野  29.5宮古島28.3
岐阜  32.9石垣島27.7
静岡  29.4南大東30.0

この日、56地点の中で最も平均気温が高かったのは岐阜の32.9℃、低かったのは釧路の21.1℃ですが、北は札幌から南は南大東まで地域に偏りなく半数の28地点で平均気温が30℃以上を記録しています。それでは、この日の天気図はどのようなものだったのでしょう。100年天気図データベースというサイトで下記の特定の日付の天気図が調べられます。1994年8月7日の21時の地上天気図は下記になります。

図 1994年8月7日21時のアジア太平洋地上天気図(原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」)

東シナ海に台風、小笠原諸島付近に熱帯低気圧がみられますが、全体的な構図としては日本のはるか東海上にある太平洋高気圧が大きく張り出し、日本の北にある東西に伸びている停滞前線(梅雨前線か?)に向かって南よりの風が吹いているということになるんでしょうか。次に同じ日時の高層天気図もみてみます。

図 1994年8月7日21時の北半球高層天気図500hPa(原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」)

500hPaの高層天気図です。(気象予報士試験の実技試験を受けたことのある方にはおなじみの天気図ですが、それ以外の方にはマニアックな天気図になりますね。)等高線の数値に10倍すればメートルの表記になると思います。分かりにくいですが、日本付近は地図の左下です。この図によるとちょうど関東付近の5940m以上となる高気圧の中心にあり、北海道から南西諸島まですっぽり太平洋高気圧の勢力下とされる5880mの等高線で覆われています。つまり、日本全体で500hPaの高度が高くなっているので、日本中が安定した気温の高い大気(暑いと気体は膨張するので500hPaの高度が高くなる)に覆われていることになります。

参考までに直近の2020年で56観測点の1日の平均気温が最も高い日であった2020年8月11日(56地点平均で29.40℃)の天気図も調べてみました。Sunny-spot.net! 天気・気象情報サイトの専門天気図アーカイブからダウンロードしたものです。

図 2020年8月11日9時の地上天気図(SPAS 速報天気図)
図 2020年8月11日9時の500hPa高層天気図(アジア500hpa解析図)

1994年8月7日と2020年8月11日の天気図は地上天気図、高層天気図ともに全体的な傾向は似ています。このようなパターンの時に日本全体が暑くなるということですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました