1時間の気温上昇が+13.3℃を記録した2016年12月18日の釧路の状況について

時刻別気温

 1991年~2020年の30年間における毎正時の気温において、1時間の気温が最も上昇したのは2016年12月18日8時の釧路の+13.3℃でした。そこで、その時の気象の状況がどのようなものであったか調べてみることにしました。当日の釧路の1時~24時の主な気象の観測データを下表に示します。

表 2016年12月18日の釧路の毎正時の気象の観測値

日付気温(℃)海面気圧(hPa)降水量(mm)湿度(%)風速(m/s)風向
201612181-11.61015.5872.0北北東
201612182-12.21016.3882.0北北西
201612183-12.31016.3861.6北北東
201612184-13.11015.8843.1西
201612185-13.21015.6852.2
201612186-12.31015.5852.3西北西
201612187-12.01014.9845.4西南西
2016121881.31013.96010.1西南西
2016121892.51013.4539.9南西
20161218102.91012.7597.0南南西
20161218113.01011.8588.6南南西
20161218123.91009.85311.7南西
20161218134.21009.6539.3南西
20161218145.71009.2548.3西
20161218156.51009.75311.7西
20161218166.11010.15610.7西
20161218175.91011.4578.3西
20161218185.21011.76111.2西
20161218195.31012.4545.3西北西
20161218202.51013.6693.7北東
20161218210.71014.6762.8北東
2016121822-0.11015.6734.6北北東
2016121823-0.41016.1672.5北東
2016121824-1.21016.7721.4北北東

 この表によると、7時の気温が-12.0℃だったのが8時には+1.3℃となり、1時間で13.3℃上昇しています。この間、気温の他に数値が大きく変化する項目は「湿度」と「風速」で湿度は84%から60%に低下し、風速は5.4m/sから10.1m/sに上昇しています。気温上昇時にもっとも近い時刻(9時)の天気図を「100年天気図データベース」からダウンロードしました。それが下記の図となります。

図 2016年12月18日9時(日本時間)の日本域地上天気図(原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」)

 この図からいえるのは、日本付近は四国に勢力の強い高気圧、サハリン付近に低気圧があって南北に気圧差があり、釧路のある北海道では東西方向に等圧線が混んでいて、西よりの風が強く吹く気圧配置となっているということです。

 7時から8時にかけての+13.3℃の上昇は、湿度の低下と風速の上昇を踏まえると強い西よりの風がもたらした「フェーン現象」によるものといえそうですがどうなんでしょう。詳しく解説できる方がいましたら教えてください。冒頭の図には釧路周辺の地形図を示していますが、釧路の西側にはやや離れていますが標高2000m級の日高山脈が連なっていますので、この山脈を超えることで「フェーン現象」が発生する可能性があります。

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