1時間の気温上昇が+13.2℃を記録した2004年12月5日の横浜の状況について

時刻別気温

 1991年~2020年の30年間における毎正時の気温において、1時間の気温が最も上昇したのは2016年12月18日の釧路の+13.3℃でした。その次が2004年12月5日の横浜、2016年5月13日の網走の+13.2℃でした。そこで、ここでは2004年12月5日の横浜に着目してその時の気象の状況がどのようなものであったか調べてみることにしました。当日の横浜の1時~24時の主な気象の観測データを下表に示します。

表 2005年12月5日の横浜の毎正時の気象の観測値

日付気温(℃)海面気圧(hPa)降水量(mm)湿度(%)風速(m/s)風向
2004120519.3997.68.5903.9西北西
2004120528.8993.17.0904.3北北西
2004120538.5988.89.0911.6
20041205421.7984.09.58714.1南南西
20041205521.9980.33.08212.2
20041205622.2977.34.58317.4南南西
20041205721.9977.81.08211.0南南西
20041205821.2980.67210.3南西
20041205922.1981.86412.1南西
200412051022.5983.05712.0南西
200412051123.3984.54912.5西南西
200412051223.1985.34612.8西南西
200412051323.3985.84013.2西南西
200412051422.8986.93411.8西南西
200412051521.2988.93910.7西南西
200412051619.5991.34210.3西南西
200412051718.3993.8437.4西南西
200412051817.5995.9425.7西南西
200412051917.8998.4334.1北北西
200412052015.81000.5403.9
200412052114.81001.9404.7
200412052213.91003.0412.3北北東
200412052313.31004.1404.4北北西
200412052412.51005.6402.8北北西

 この表によると、3時の気温が8.5℃だったのが4時には+21.7℃となり、1時間で13.2℃上昇しています。この間、気温の他に数値が大きく変化する項目は「風速」と「風向」で風速は1.6m/sから14.1m/sに上昇し、風向は「北」から「南南西」に大きく変化しました。12月の明け方に20℃を超えるというのは異様なほどの暖気に覆われたことになります。また、気温が変化する3時、4時は1時間降水量が9.0mm、9.5mmとまとまった雨量を記録しています。気温上昇時にもっとも近い時刻(3時)の天気図を「100年天気図データベース」からダウンロードしました。それが下記の天気図となります。

図 2004年12月5日3時(日本時間)のアジア太平洋地上天気図(原典:気象庁「天気図」、加工:国立情報学研究所「デジタル台風」)

 この天気図からいえるのは、横浜付近は中心気圧980hPaの低気圧から東へ伸びる温暖前線が通過して、東側にある太平洋高気圧の淵を通って温暖前線に流れ込む南よりの暖気により大きく気温が上昇したと考えられます。この日の気象庁の天気のコメントは、「関東師走の夏日。低気圧は15時までに28hPa/24h発達。全国的に大荒れ。千葉市で最大瞬間風速47.8m/s。関東は晴れて、山越えの西風によるフェーン現象が加わり、埼玉県熊谷市で26.3℃等、夏日。」ということなので、横浜でもフェーン現象も加わった可能性があります。確かに朝と比較して、昼以降は湿度がかなり低下しています。

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