1991年~2020年の30年間の年別の平均気温の平均値~温暖化の影響について~

気象台_1991年~2020年

管区気象台及び地方気象台の56観測点の1991年1月1日~2020年12月31日の10958日間の日別の平均気温のデータを平均して、30年間の年別の平均気温の平均値を算定しました。観測点によっては30年間に位置が移動して一定の条件ではない地点もありますが、そういった影響は全く考慮せずに単純に平均した結果となります。

管区気象台及び地方気象台の56地点全体の1991年~2020年の年別の平均気温の平均値を示すと下表のとおりとなります。

表 管区気象台及び地方気象台の56地点の1991年~2020年の年別の平均気温の平均値

気温(℃)気温(℃)気温(℃)
1991年15.052001年14.902011年15.03
1992年14.712002年15.192012年14.89
1993年14.302003年14.852013年15.30
1994年15.482004年15.702014年15.03
1995年14.662005年14.882015年15.58
1996年14.342006年15.092016年15.79
1997年15.012007年15.532017年15.12
1998年15.692008年15.132018年15.68
1999年15.332009年15.242019年15.83
2000年15.152010年15.482020年15.84

最も平均気温の高い年は直近の2020年で15.84℃、逆に最も低い年は1993年の14.30℃ですので差は1.54℃です。年によって数値は上下していますが10年間の年代ごとの1991年~2000年の平均値が14.97℃、2001年から2010年の平均値が15.20℃、2011年から2020年の平均値が15.41℃ですので、10年間の平均値では0.2℃強上昇しています。より詳細にみるために横軸に年、縦軸に年別の平均気温をプロットして1次の回帰式を算定すると下記の図となります。

図 1991年から2020年の管区気象台及び地方気象台の56地点の年別の平均気温の平均値の推移

1991年から2020年の30年間において温暖化の傾向がみられ、その上昇率は1次の回帰式から0.027℃/年となります。100年間の上昇率に換算すると2.7℃/100年になります。これは、気象庁による1900年~2020年間の120年間の上昇率1.26℃/100年を2倍以上も上回ることになります。温暖化が加速し始めている兆候なのでしょうか。

ここからは観測点別に1991年から2020年の30年間における気温の上昇率をみていきます。観測点ごとの1991年~2020年の年別の平均気温の平均値を算定し、上記と同じように1次の回帰式を算定して、その傾きの大きさから推定します。ちなみに吾作が独自に算定した管区気象台及び地方気象台の56観測点の1991年~2020年の年別の平均気温の平均値は以下からダウンロードできます。(なお、データを利用するにあたっては「はじめに」をご参照ください。)

観測点別に算定した1991年から2020年の30年間における気温の1次の回帰式の傾きの大きさは以下の通りです。その分布図が冒頭の図となります。

表 観測点別における1991年から2020年の30年間における気温の1次の回帰式の傾きの大きさ

観測点傾き(℃/年)観測点傾き(℃/年)
札幌  0.0267名古屋0.0336
函館  0.0298津    0.0261
旭川  0.0198彦根  0.0341
室蘭  0.0281京都  0.0257
釧路  0.0416大阪  0.0119
網走  0.0282神戸  0.0456
稚内  0.0191奈良  0.0333
青森  0.0232和歌山0.0191
盛岡  0.0343鳥取  0.0265
仙台  0.0385松江  0.0286
秋田  0.0292岡山  0.0100
山形  0.0266広島  0.0155
福島  0.0340下関  0.0226
水戸  0.0425徳島  0.0180
宇都宮0.0378高松  0.0284
前橋  0.0364松山  0.0231
熊谷  0.0373高知  0.0240
銚子  0.0332福岡  0.0320
東京  0.0072佐賀  0.0318
横浜  0.0364長崎  0.0146
新潟  0.0166熊本  0.0214
富山  0.0364大分  0.0319
金沢  0.0297宮崎  0.0044
福井  0.0276鹿児島0.0244
甲府  0.0313那覇  0.0189
長野  0.0298宮古島0.0199
岐阜  0.0305石垣島0.0227
静岡  0.0315南大東0.0192

すべての地点で傾きが正であることから1991年から2020年の30年間において気温が上昇傾向であることが確認できました。これらのうち最も傾きが大きいのは神戸で0.0456℃/年、2番目が水戸で0.0425℃/年、3番目が釧路で0.0416℃/年と0.04℃/年(4℃/100年)を超えたのは3地点でした。逆に最も傾きが小さいのは宮崎で0.0044℃/年、2番目が東京で0.0072℃/年、3番目が0.0100℃/年と0.01℃/年以下となるのは3地点でした。観測点によって気温の上昇率が大きくばらつく結果となりました。正直、吾作の事前の予想としてはここまで上昇率がばらつくとは考えておりませんでした。観測点によって気温上昇率が大きくばらつくのはどういった要因なのでしょう。

大阪と神戸の1991年~2020年の年別の平均気温の推移


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