管区気象台及び地方気象台の56観測点の1991年1月1日~2020年12月31日の10958日間の日別の平均気温のデータから、当該30年間における観測点別の1日の平均気温の最高値を調べてみました。1日の最高気温はマスコミでもよく報道されますが、1日の平均気温はあまり注目されませんよね。調べた結果が冒頭の分布図と下の表となります。
表 1991年~2020年における観測点別の1日の平均気温の最高値を記録した年月日とその値
地点名 | 年月日 | 平均気温(℃) | 地点名 | 年月日 | 平均気温(℃) |
札幌 | 19940807 | 30.1 | 名古屋 | 20180723 | 33.3 |
函館 | 20100806 | 27.8 | 津 | 20000722 | 33.5 |
旭川 | 19940807 | 28.8 | 彦根 | 20140726 | 31.8 |
室蘭 | 20070815 | 27.1 | 京都 | 19940807 | 32.8 |
釧路 | 19940808 | 24.5 | 大阪 | 19940808 | 32.9 |
網走 | 20040724 | 30.0 | 神戸 | 20130811 | 32.5 |
稚内 | 20000801 | 25.8 | 奈良 | 19940807 | 31.7 |
青森 | 20100806 | 30.1 | 和歌山 | 20130811 | 32.7 |
盛岡 | 20200828 | 29.4 | 鳥取 | 19940801 | 32.3 |
仙台 | 20070815 | 31.2 | 松江 | 20170806 | 32.3 |
秋田 | 20190815 | 32.1 | 岡山 | 19940807 | 32.3 |
山形 | 19940814 | 31.1 | 広島 | 20190813 | 32.8 |
福島 | 20180801 | 31.6 | 下関 | 20180824 | 31.3 |
水戸 | 19960815 | 31.3 | 徳島 | 20130811 | 32.6 |
宇都宮 | 20130810 | 31.7 | 高松 | 20130810 | 33.0 |
前橋 | 20200811 | 32.9 | 松山 | 19970810 | 31.9 |
熊谷 | 20070816 | 33.7 | 高知 | 20040730 | 32.1 |
銚子 | 20130811 | 30.1 | 福岡 | 20130819 | 32.8 |
東京 | 20130810 | 33.2 | 佐賀 | 20180812 | 32.5 |
横浜 | 20130811 | 32.2 | 長崎 | 20170804 | 32.4 |
新潟 | 20180729 | 33.0 | 熊本 | 20160811 | 31.9 |
富山 | 19940814 | 33.8 | 大分 | 20130811 | 31.7 |
金沢 | 20190815 | 33.7 | 宮崎 | 19980812 | 32.0 |
福井 | 20180822 | 32.4 | 鹿児島 | 20130819 | 31.7 |
甲府 | 19940802 | 31.8 | 那覇 | 20170731 | 31.4 |
長野 | 20190815 | 30.9 | 宮古島 | 20140705 | 30.9 |
岐阜 | 20180723 | 33.2 | 石垣島 | 20160704 | 31.5 |
静岡 | 20050628 | 31.9 | 南大東 | 20170810 | 31.0 |
30年間に気象台56地点中50地点が少なくとも1日は平均気温が30℃以上の日を記録したことになります。30年間で平均気温が30℃を1日も超えていないのは北海道の5地点と北海道以外では盛岡だけでした。56地点で1日の平均気温が最高を記録した値のTop3は次のとおりです。
1位:富山 1994年8月14日 33.8℃、2位:金沢 2019年8月15日 33.7℃、2位:熊谷 2007年8月16日 33.7℃
1位は意外にも北陸の富山でした。2位も同じく北陸の金沢と同点で関東の熊谷でした。月別ではTop3に入ってくる大阪は日別ではTop3に入りませんでした。北陸の富山、金沢で1日の平均気温が異様に高くなるのは「フェーン現象」が影響しているのでしょうか。
30年間で気象台56地点の中で最も1日の平均気温が高かった1994年8月14日の富山地方気象台の状況について
各地点で30年間で1日の平均気温が最高を記録した年に着目すると、1994年が11地点、1996年、1997、1998年が1地点ずつ、2000年、2004年が2地点ずつ、2005年が1地点、2007年が3地点、2010年が2地点、2013年が11地点、2014年と2016年が2地点ずつ、2017年が4地点、2018年が7地点、2019年が3地点、2020年が2地点となっています。1994年と2013年が11地点と最も多くなっています。直近の2020年は2地点とそれほど多くはありませんでした。
月別に着目しますと6月が1地点、7月が11地点、8月が44地点と最も多く、最も早かったのは静岡の6月28日、遅かったのは盛岡の8月28日でちょうど2か月の開きがあります。
さらに特定の日付に着目すると2013年8月11日が最も多く6地点、次いで1994年8月7日が5地点でした。ちなみに56観測点平均の1日の平均気温の高さでは2013年8月11日は30年間で4位、1994年8月7日は1位でした。
コメント